こんにちは!Nana通信です。
冬本番を迎え、訪問看護のご利用者様やそのご家族様から、寒さ対策についてのご相談が増えています。特に注意が必要なのが、ヒートショックです。
ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳梗塞、失神などを引き起こす危険な現象です。特に高齢者は温度変化を感じにくかったり、血管の柔軟性が低下しているため、リスクが高まります。
消費者庁の調査でも、冬場の入浴中の事故は多く、その対策は在宅介護において非常に重要です。
この記事では、訪問看護師の視点から、ヒートショックが起こりやすい「浴室」と「脱衣所」に焦点を当て、今すぐできる具体的で簡単な3つの対策をご紹介します。
1. まず知っておきたい!ヒートショックが起こるメカニズム
ヒートショックが起こりやすい典型的なシチュエーションは以下の通りです。
- 寒い脱衣所で服を脱ぐ(血管が収縮し、血圧が急上昇)
- 熱い湯船に入る(血管が拡張し、血圧が急降下)
このように、暖かい部屋から寒い脱衣所へ移動したり、熱いお湯に急に入ったりすることで、血圧が乱高下し、体に大きな負担がかかります。
この急激な温度差をなくすこと、つまり「脱衣所と浴室を暖かく保つこと」が最大のヒートショック対策になります。
2. 訪問看護師が推奨!浴室・脱衣所の3つの簡単対策
ヒートショック対策の鍵は「温度のバリアフリー」です。特別なリフォームをしなくても、少しの工夫でリスクを大幅に減らせます。
対策①:入浴前に「脱衣所」を暖めておく
脱衣所は油断しがちな場所です。リビングなど暖かい部屋から移動してきた際、急激な寒さにさらされないように準備をしましょう。
- 暖房器具の活用: コンパクトな電気ヒーターやセラミックファンヒーターを設置し、入浴の10〜15分前から稼働させておきます。この際、浴槽のお湯などがかからないように、安全な場所に置くことが重要です。
- 室温の目安: 室温は18℃〜20℃程度を目安に保つと良いでしょう。
- 足元マットの工夫: 冷たい床に触れるとさらに寒さを感じやすくなります。断熱性の高いバスマットや、ジョイントマットなどを敷いて、足元からの冷えを防ぎましょう。
対策②:入浴前に「浴室全体」を暖めておく
入浴時にいきなり寒い浴室に入らないよう、浴室全体を暖めておきます。
- シャワーの活用: 浴槽にお湯をためる際や、入浴の前に高温のシャワーを数分間出し、壁や床にかけましょう。これだけで浴室の温度を効率よく上げることができます。
- 給湯器の追い焚き機能: 浴槽のフタを開けた状態で追い焚きをすることで、湯気を利用して室温を上げられます。
- 浴室乾燥機の活用: 浴室乾燥機がついている場合は、暖房機能を活用します。
対策③:湯温と入浴時間に注意する
体への負担を軽減するために、お湯の温度と入浴時間も見直しましょう。
- 湯温は「ぬるめ」で設定: 42℃以上の熱いお湯は血圧が急降下しやすく危険です。38℃〜40℃程度のぬるめのお湯に設定しましょう。
- 長湯は避ける: 湯船に浸かる時間は10分程度までを目安にします。長時間の入浴は体力を消耗し、脱水症状も起こりやすくなります。
- かけ湯で体を慣らす: 湯船に入る前に、手足の末端から心臓に遠い順にかけ湯をして、体を少しずつお湯の温度に慣らしましょう。
3. 緊急時のために!訪問看護がサポートできること
ヒートショック対策は、日々の小さな積み重ねが大切です。しかし、ご自宅での介護には不安がつきものです。
Nana訪問看護ステーションでは、ご利用者様が安心して冬を過ごせるよう、以下のようなサポートを行っています。
- 体調管理・バイタルチェック: 入浴前後の血圧や体温、脈拍などをチェックし、体調の変化を細かく把握します。
- 住環境のアドバイス: 居室や浴室・脱衣所などの温湿度環境について専門的なアドバイスを行います。
冬場の健康管理や、ご自宅の環境整備について不安やお悩みがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
<Nana訪問看護ステーション下井草について>
Nana訪問看護ステーション下井草(杉並区/中野区エリア)は、男性スタッフが多いことが特徴です。
緊急時でもスタッフがご利用者様のご自宅へすぐにかけつけられる距離にいるため、地域の居宅介護支援事務所(ケアマネジャー)の皆様や医療関係者の皆様から大切な利用者様まで迅速に対応させていただきます。

